あまり知られてない!チーズの長〜い歴史!
1:始まりのチーズ
中東にはチーズにまつわる、古い民話があります。それは、「昔、アラビアの隊商(キャラバン)が羊の胃袋でつくった水筒にミルク入れて旅に出た。夕刻、のどの渇きを癒やそうとしたところ、水筒のなかから白いかたまりと黄色い水が出てきた。おそるおそるそのかたまりを食べてみたら、とてもおいしかった」というもの。チーズは、こうして偶然にうまれたといわれています。

2:チーズの起源
チーズの起源は約8,000年前から6,000年前の中東地域とされています。遊牧民が乳を保存する方法として発見し、自然の酵素や微生物の働きによって乳が固まり、チーズになったと考えられています。この技術はシリア、イラン、エジプトなどに伝わり、古代文明の一部となりました。古代ギリシャやローマでは、チーズは重要な食料と、さまざまな種類が作られました。ヨーロッパ中世にかけては、教会や修道院での製造技術が発展し、保存性や風味の多様化が進みました。
ヨーロッパから世界へ
産業革命や交通の発達により、チーズはヨーロッパ各地で大量生産されるようになり、スイスのエメンタールやフランスのカマンベール、イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノなど、その土地の風土に合ったチーズが作られるようになり、多様な種類が誕生しました。21世紀現在では、世界中に1000種類をこえるチーズがあると言われています。

日本への普及
日本にはもともと乳製品の伝統は少なく、古代には乳を使った料理はほとんどありませんでした。江戸時代には乳製品はほとんど知られていませんでしたが、明治時代以降、西洋文化の流入とともにチーズが紹介されました。戦後、日本では西洋料理の普及とともに、チーズの需要が高まりました。1900年代からは、アメリカやヨーロッパからの輸入品だけでなく、日本国内での生産も始まりました。チーズの長い歴史から見るとまだ100年ほどの歴史です。今では日本各地で200をこえるチーズ生産者がさまざまなタイプのチーズが作り出しています。

まとめ
チーズは人類の長い歴史の中で、保存食としてだけでなく、文化や伝統の象徴としても発展してきました。今日では、世界中で多彩な種類のチーズが楽しまれています。日本でもチーズは近年人気が高まり、北海道は特に有名な生産地です。北海道の寒冷な気候と広大な酪農地帯が、良質なチーズ作りに適しています。北海道産チーズは国内外で高い評価を受けています。